イカリソウ…と聞いて『怒り草』と思ってしまいましたが、本来は船の『錨』の方でした(爆)
和名の碇草、錨草(ともにイカリソウ)
4枚ある花弁にはそれぞれ細長い角のようなものが付いていて、それが四方に広がっている様子が船の錨(いかり)に似ていることに由来するそうです。
4~5月頃、本州の太平洋側から四国に分布する多年草。
日本には何種類生え、花の色は白から赤紫色が普通ですが黄花をつけることもある。
角のようなものは距(きょ)といい、距の奥に蜜がたまっていて昆虫をおびき寄せる働き。
薬用として
イカリソウの仲間を中国では『淫羊霍(いんようかく)』といい、薬用部位の葉を乾燥させ、強壮目的で茶や薬酒として服用。
びっくりするような漢字が並んでいますよね。イカリソウとは全く違う次元の文字が( ゚Д゚) 淫、羊、霍??????
名の由来は、中国の古い本草書にあるそうですが、
ちょっとむかし話をここで。
由来のむかしばなし
『むか~し昔、シルクロードの方の四川の北部の方に住む、芽理(めりー)さんは羊を飼い、山の南側で放牧するように頼みました。
目的地に着き、太陽が沈むころお腹を満たした羊たちを柵に入れました。その晩、何故か羊たちは大騒ぎ。飛びんだり跳ねたり、オスがメスを追いかけまわしたり、柵をこえて脱走する羊もいたとか。
あくる日、羊飼いがそれを見てぶったまげました。一日がかりで100匹の羊を探し回る始末。それをみた芽理さんは激怒!!
m「どういでぇ???」
H「俺も分からなぇ~。」
m「何を食べさせたんだ?」
H「ただ山の南側の草地に連れていっただけだぁ」
そこで、もう一度その地に羊を連れて行って様子を見ることにしました。案の定、その晩も羊たちは大騒ぎ。頭のいい芽理さんはそれを聞いてピン!ときました。草に秘密があるに違いないと。
そこで、大勢で山の南側にある草地へ向かい自生している数十種類の草を採取し、羊にひと種類ずつ与え観察していると、発情する羊がでてきました!!。
「あいごぉー!!」
芽理さんは、羊を元氣にさせる草を特定させたのです。
村のはずれに、若夫婦が住んでしました。どういうわけか、その夫婦は夜更けに口喧嘩がたえずにいました。どうも夫が病弱で、腰痛もち、冷え性らしく、きっと夫婦生活がよくないからだ!と村では噂がもちきり。
芽理さんは羊に効くなら人間にも効くだろうと思い、その草を根っこから掘って煎じ、若夫婦へもっていきました。
しばらく飲んでいると、夫は元氣になり、一年後妻は身ごもったのです。何度か試しているうちに、その草が強壮効果があるとわかり、淫羊霍と名付けましたとさ。
めでたし めでたし。おしまい。』
古い本草書の記述
大真面目に中国の古い本草書にある、『羊が1日に100回もメス達の相手をするほど精力旺盛になる草、淫羊霍』
そんまんまでしたね(笑)
漢方では、生殖器にかかわり生命の源である腎を補えることはアンチエイジング効果でもあり、泌尿器や脳や足腰などを丈夫にするといわれます。中国では、お年寄りが飲むと腰が伸びて杖がいらなくなるので『放杖草』の別名もあるそうです。
現代の研究で科学的にも裏つけされたそうです。
イカリソウの茎葉成分が、性の神経を興奮させ、性ホルモン分泌促進、知覚神経を興奮させる。不妊や精力減退、頻尿、ED、リウマチなどにも有効!
小林一茶も愛用
52歳で初婚。65歳で亡くなるまでに2人の妻と過ごし、5人の子をもうけそうです。(七番日記に薬草名がでてくる)
一茶すごい!!!そうだ!彼と同県民でしたよ。しかも養命酒も長野県が発祥。なんか親近感!!
生殖だけではなく足腰丈夫で元氣を保てるのは理想です。
薬酒としてイカリソウは強壮・強精薬【仙霊脾酒(せんれいひしゅ) 】という名らしいので体つくりには欠かせない消化器系に霊力が宿るほど昔から愛用されているのですね。脾弱な私、是非あやかりたい!!
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淫羊霍
温性/甘微辛/肝腎
補腎壮陽、祛風除湿 腎陽をあっためて補う